事務局だより No.1

Date
2006-10-02 (Mon)
Category
News&Column

研究会発足への想い

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 この春から、私は標記研究会の事務局長の任をさせていただいています。本研究会の使命は、馬場園理事長が巻頭言で述べられているように、時代の新しいニーズに合致したヘルスケアシステムを調査研究していくという大きな使命を与えられています。研究会の主な活動内容は、医療福祉経営マーケティング関連の研究、人材教育、経営支援です。私は、大学と学生、実業である医療福祉機関との協同作業の媒介として、いくらかでも社会に貢献していきたいと考えています。

 さて、事務局長を仰せつかった経緯の中で、理事長の馬場園先生との関わりについて、少しお話をさせていただきたいと思います。私が馬場園先生と初めてお会いしたのは、1992年、米国のペンシルバニア大学にさかのぼります。先生はペン大の医学部に臨床疫学の研究に、私は建設会社からの企業派遣で、医療経営管理学を学ぶために、ペン大のウォートンスクールのMBAコースに留学していました。先生は医学部からMBAコースの医療経営管理学の講義を聴きに来られていて、そこで話をする機会がありました。私は「会社のコンサルティング事業を強化するために、病院の経営学を勉強しに来ています。」と話すと、今から15年前の現状を踏まえ、先生は「まだ、日本の病院が、経営コンサルティング、改革を受け入れる時機ではありません。病院より、高齢者福祉事業の方が有益です。」というアドバイスをいただき、方針を変更し、病院から、高齢者福祉の経営の研究へシフトしました。その後、先生とはウォートンでの医療経営管理学講座で共同研究を続け、日本の有料老人ホームのモデルとなった高齢者健康コミュニティ、CCRC(Continuing Care Retirement Community)について論文をまとめました。さらに、帰国後も高齢者ケアの研究を続け、先生の指導のもとに博士論文を完成することができました。

 仕事の方は、父が急死した理由で、父の勤務していた経営コンサルティング会社に転職し、10年近く医療福祉関連の分野を中心にコンサルタントの仕事をして参りました。そのような折、昨年、馬場園先生が九州大学大学院医療経営・管理学講座の教授になられ、さらに、いろいろなご縁が重なり、本研究会の事務局長を務めさせていただくことになりました。
 この分野では私が15年前に考えていた病院革命ともいうべき、ダイナミックな改革がいま病院に起ころうとしており、まさに時機を得た研究会の発足かと考えています。すなわち、急増する高齢者と、破たん寸前の国の財政の条件下では、今までのように公的な資金だけで、医療福祉制度を継続できなくなってきているからです。
 そこで、厚生労働省は、抜本的な介護保険制度改革と医療制度改革を今年から施行していきます。その大きな方針は、急性期、回復期、在宅療養という医療の切れ目のない流れで疾病管理を行い、重複する無駄な部分は排除し、医療と介護を峻別していくことです。そして今後の医療介護の大きな流れが、①施設から在宅へ、②公的財源から私的財源へ、③改善しない医療から予防へ という流れへと移行していくことは明確になってきており、中長期的には、生活習慣病の予防の徹底と平均在院日数の短縮に焦点が置かれました。
 今回の医療制度改革の中で、特に厳しいと思われるのは、2011年までに、介護・医療療養病床の38万床を一本化し、介護療養病床13万床は廃止し、医療療養病床は15万床に削減し、合計23万床の療養病床を老人保健施設、有料老人ホーム等に事業転換するか、もしくは廃止することです。しかし、療養病床をいたずらに廃止することは、地域の医療資源の損失であり、地域の高齢者のニーズに合った形で事業転換することが望まれています。

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 療養病床の事業転換の方向づけを支援していくことは当研究会の目的と合致するものであり、私が馬場園先生と研究してきた高齢者健康コミュニティモデルの建設ノウハウと、馬場園先生が生活習慣病の予防ノウハウとして研究してきたホームベース型健康支援モデルが役にたつのではないかと考えています。具体的には、上図に示すように、療養病床を持つ病院が、有料老人ホーム、老人保健施設、在宅療養支援診療所、訪問看護ステーションを付加、および連携していくことにより、高齢者に継続したケアを提供するコミュニティを建設していけることになります。
 この事業転換、コミュニティの建設には、様々な経営管理知識・技術、ノウハウが必要であり、本研究会は次のような価値を活かし、地域の医療・福祉機関、高齢者のお役に立っていきたいと、願っています。

(1) 医療福祉政策、医療経営管理の知識と技術
(2) 有料老人ホーム等を経営する高齢者福祉施設の専門的な知識と技術
(3) 生活習慣病の予防のために構築されたホームベース型健康支援プログラム
(4) 病院の革新的な経営手法として有効なBSC(バランストスコアカード)マネジメントのノウハウ
(5) 15年以上研究してきた、米国の高齢者健康コミュニティCCRCのマーケティング・マネジメント・ファイナンスのノウハウ
(6) いろいろな企業と協同作業ができる大学のネットワーク
もし、このような研究会が提供できる様々なノウハウ、知識、技術、経営支援活動等に興味を持たれ、ご質問、ご相談等のある方は、下記のメールにてお問い合わせ頂ければ幸いです。今後とも宜しくお願い申し上げます。

メールあて先:「医療福祉経営マーケティング研究会」事務局 事務局長 窪田

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