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オフィス紹介

Date
2006-10-02 (Mon)
Category
News&Column

 「医療福祉経営マーケティング研究会」のオフィスは、九州大学の病院地区にある「コラボ・ステーションⅡ」という総合研究棟の5階にあります。コラボ・ステーションⅡは「21世紀を生き続ける総合研究棟をめざして」という施設計画の基本方針を掲げた、全学を対象とする総合研究棟で、学内外の広範な研究者の参加による学際的、先端的または独創的な研究を効率的かつ円滑に進め、組織の枠を越えてその叡智を結集し、真理の探究及び同定並びに研究開発を促進するための場として、どの部局にも所属しない全学利用のレンタルラボ、レンタルオフィスです。
 地上7階の建物の中に19室のレンタルラボと30室のレンタルオフィスをはじめ、大小のセミナー室やコモンルーム(小会議室)、更には科学技術基本計画における研究開発の重点化の柱である、「ライフサイエンス分野」、「環境分野」、「ナノテクノロジー・材料分野」に対応する共同(特殊)実験室が設置されており、機能性は充実しています。そして、交流を促すためのコミュニティラウンジや情報サロン、リフレッシュスペース等、利用者が快適に活動できる良好な空間もあります。
 さて、医療福祉経営マーケティング研究会のオフィスは、この5階にあるレンタルラボの512号室にあります。4月1日に発足した本研究会も当初は広い部屋のなかに、折りたたみいすと折りたたみ机を他所より借りてきただけの寂しいオフィスでしたが、皆様のご協力によりようやくオフィスらしくなってきました。このすばらしい環境にオフィスを構えることができた本研究会も、皆様と情報やアイデアを共有しながら、よりすばらしい研究会へと成長できるよう努力させていただきますので、よろしくお願いいたします。

事務局だより No.1

Date
2006-10-02 (Mon)
Category
News&Column
研究会発足への想い

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 この春から、私は標記研究会の事務局長の任をさせていただいています。本研究会の使命は、馬場園理事長が巻頭言で述べられているように、時代の新しいニーズに合致したヘルスケアシステムを調査研究していくという大きな使命を与えられています。研究会の主な活動内容は、医療福祉経営マーケティング関連の研究、人材教育、経営支援です。私は、大学と学生、実業である医療福祉機関との協同作業の媒介として、いくらかでも社会に貢献していきたいと考えています。

 さて、事務局長を仰せつかった経緯の中で、理事長の馬場園先生との関わりについて、少しお話をさせていただきたいと思います。私が馬場園先生と初めてお会いしたのは、1992年、米国のペンシルバニア大学にさかのぼります。先生はペン大の医学部に臨床疫学の研究に、私は建設会社からの企業派遣で、医療経営管理学を学ぶために、ペン大のウォートンスクールのMBAコースに留学していました。先生は医学部からMBAコースの医療経営管理学の講義を聴きに来られていて、そこで話をする機会がありました。私は「会社のコンサルティング事業を強化するために、病院の経営学を勉強しに来ています。」と話すと、今から15年前の現状を踏まえ、先生は「まだ、日本の病院が、経営コンサルティング、改革を受け入れる時機ではありません。病院より、高齢者福祉事業の方が有益です。」というアドバイスをいただき、方針を変更し、病院から、高齢者福祉の経営の研究へシフトしました。その後、先生とはウォートンでの医療経営管理学講座で共同研究を続け、日本の有料老人ホームのモデルとなった高齢者健康コミュニティ、CCRC(Continuing Care Retirement Community)について論文をまとめました。さらに、帰国後も高齢者ケアの研究を続け、先生の指導のもとに博士論文を完成することができました。

 仕事の方は、父が急死した理由で、父の勤務していた経営コンサルティング会社に転職し、10年近く医療福祉関連の分野を中心にコンサルタントの仕事をして参りました。そのような折、昨年、馬場園先生が九州大学大学院医療経営・管理学講座の教授になられ、さらに、いろいろなご縁が重なり、本研究会の事務局長を務めさせていただくことになりました。
 この分野では私が15年前に考えていた病院革命ともいうべき、ダイナミックな改革がいま病院に起ころうとしており、まさに時機を得た研究会の発足かと考えています。すなわち、急増する高齢者と、破たん寸前の国の財政の条件下では、今までのように公的な資金だけで、医療福祉制度を継続できなくなってきているからです。
 そこで、厚生労働省は、抜本的な介護保険制度改革と医療制度改革を今年から施行していきます。その大きな方針は、急性期、回復期、在宅療養という医療の切れ目のない流れで疾病管理を行い、重複する無駄な部分は排除し、医療と介護を峻別していくことです。そして今後の医療介護の大きな流れが、①施設から在宅へ、②公的財源から私的財源へ、③改善しない医療から予防へ という流れへと移行していくことは明確になってきており、中長期的には、生活習慣病の予防の徹底と平均在院日数の短縮に焦点が置かれました。
 今回の医療制度改革の中で、特に厳しいと思われるのは、2011年までに、介護・医療療養病床の38万床を一本化し、介護療養病床13万床は廃止し、医療療養病床は15万床に削減し、合計23万床の療養病床を老人保健施設、有料老人ホーム等に事業転換するか、もしくは廃止することです。しかし、療養病床をいたずらに廃止することは、地域の医療資源の損失であり、地域の高齢者のニーズに合った形で事業転換することが望まれています。

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 療養病床の事業転換の方向づけを支援していくことは当研究会の目的と合致するものであり、私が馬場園先生と研究してきた高齢者健康コミュニティモデルの建設ノウハウと、馬場園先生が生活習慣病の予防ノウハウとして研究してきたホームベース型健康支援モデルが役にたつのではないかと考えています。具体的には、上図に示すように、療養病床を持つ病院が、有料老人ホーム、老人保健施設、在宅療養支援診療所、訪問看護ステーションを付加、および連携していくことにより、高齢者に継続したケアを提供するコミュニティを建設していけることになります。
 この事業転換、コミュニティの建設には、様々な経営管理知識・技術、ノウハウが必要であり、本研究会は次のような価値を活かし、地域の医療・福祉機関、高齢者のお役に立っていきたいと、願っています。

(1) 医療福祉政策、医療経営管理の知識と技術
(2) 有料老人ホーム等を経営する高齢者福祉施設の専門的な知識と技術
(3) 生活習慣病の予防のために構築されたホームベース型健康支援プログラム
(4) 病院の革新的な経営手法として有効なBSC(バランストスコアカード)マネジメントのノウハウ
(5) 15年以上研究してきた、米国の高齢者健康コミュニティCCRCのマーケティング・マネジメント・ファイナンスのノウハウ
(6) いろいろな企業と協同作業ができる大学のネットワーク
もし、このような研究会が提供できる様々なノウハウ、知識、技術、経営支援活動等に興味を持たれ、ご質問、ご相談等のある方は、下記のメールにてお問い合わせ頂ければ幸いです。今後とも宜しくお願い申し上げます。

メールあて先:「医療福祉経営マーケティング研究会」事務局 事務局長 窪田

事務局だより№2

Date
2007-09-24 (Mon)
Category
News&Column

医療福祉経営マーケティング研究会
事務局長 山﨑

 本研究会は、医療機関、医療に関する今日的な問題を解決するために開発された大学の研究成果である知的財産を、具体的な事例研究を通して、医療の現場に還元していくことを目的として、昨年4月に発足しました。私は本年4月から研究会の事務局長の任をさせていただいています。
 私は福岡県内の医師団体事務局の仕事をした後、病院管理の専門的な知識を習得するために、国立医療・病院管理研究所の病院管理学研究科コースに就学しました。このコースは由緒あるもので、日本における病院管理学の歴史は戦後始まっていますが、昭和23年7月に医療法が施行され、翌24年6月、厚生省病院管理研修所が設立されたことに由来します。 病院管理学とは、医療サービスを提供する施設の経営・管理に関するあらゆる領域の総合された学際的な学問であり、そこには、経営学、会計学、経済学、法律学、社会学といった既存の社会科学系の学問や統計学、医学、建築学、保健学、老年学といったいわゆる自然科学系の学問を基礎として、医療施設の内外のさまざまな問題を多角的に研究する学問であるといえます。
 このような病院管理学の一端を学び、その後は病院の経営計画部門で病院事業に従事してきました。当時は日本の急速な高齢化、寝たきり老人の増加等が社会的問題となってきた時代でした。また、医療倫理が大きな問題となり大学病院、国立病院、そして中小病院にいたるまで「病院憲章」が考案され、「ヒポクラテスの誓い」がいたるところで施設内にはりだされました。その後に出てきた新しい医療倫理の概念が、「インフォームド・コンセント」でした。
 そして、1973年アメリカ病院協会の「患者の権利宣言」、1978年「アルマアタ宣言(プライマリー・ヘルス・ケアに関する宣言)」、1981年「患者の権利に関するリスボン宣言(第34回世界医師会総会採択)」などが1980年代後半頃から、大いに話題になったことを覚えています。これらが我が国の医学・医療の倫理規範を向上させ、病院管理学にも影響を与えました。この背景には、国民総医療費の増大とも絡まって、病院医療に対する国民の信頼感が問われ、医療提供サイドに重心が置かれた医療を国民サイドに移さなければならないという作用が医療界で働きだしたことにあります。医療界の動きは1952年米国JCAHの科学的医療の質の評価研究等の影響も受けて1997年日本医療機能評価機構発足による「病院評価事業」として現れました。昨今の「市場原理」の導入による、利益優先主義とはその旨を異にする一つの時代でした。
 その頃、時期を同じくして老人保健法が改正され、老人保健施設が創設されました。1989年、私は国立医療・病院管理研究所で老人保健施設の運営に関する設計を9人の同志と共同制作しました。それぞれが、「一人が一老人保健施設をつくろう」と燃えており、やがて全国に散らばりました。この時のリーダーが病院管理学研究所の小山秀夫先生でした。つまり、民間医療機関の中長期計画の策定―-中小病院のヨコ展開―-が全国で始まったのです。
 当時は経済の状況は良く、今日の「縮小合理化」とは全く反対の「それいけドンドン」という状況でしたが、老人保健施設は「中間施設」と位置づけられ、病床削減であることは今日の療養病床再編問題とは本質的には同じものといえるでしょう。7つのモデル施設から始まった老人保健施設が20年して3,480施設数(2007年6月現在)になったことは、わが国の医療提供体制を大きく変貌させたものと云えるでしょう。
 研究会では、このような医療環境の変化、構造改革を受け、現場とのコラボレーションによる研究部会を設置し、実際的なケーススタディ研究を行っていくつもりです。
 第一番目に、第五次医療構造改革が進行し、療養病床の再編、DPCの導入、在宅医療へのシフト等医療環境が大きく変化する中で、研究会では医療政策を踏まえ今後の医療機関のあり方、方向性を研究していく目的で新しい視点に立った病院管理の専門家が必要になってきたことを受け、「病院管理学研究部会」を設立しこの分野の研究を進めていく予定です。
 第二番目に、「高齢者健康コミュニティCCRC研究部会」を発足し研究を進めています。これからの医療保険制度、介護保険制度を維持していくためには、限られた医療・福祉財源を有効に活用していく必要があります。その一つの方法として、保健・医療・福祉サービスを統合して提供するシステムを構築することが考えられます。米国には保健・医療・福祉を統合したシステムとして、CCRC(Continuing Care Retirement Community)というシニア住宅システムがあります。直訳すると、「継続した保健・医療・福祉を提供する高齢者の生活共同体」となりますが、私たちは「高齢者健康コミュニティ」と名付けました。高齢者は、収容管理されることから自由・選択の時代へニーズは変化している中、本研究部会では、具体的なケーススタディを通して、日本に適したCCRCを研究していくつもりです。
 第三番目に「医療経営ファイナンス研究部会」を発足させる予定です。これは、診療報酬改訂や医療構造改革の中、病院の収益力の低下、資産価値の下落、過去の過剰な設備投資等により、過剰債務を抱えた病院も多く、公的金融機関や民間の金融機関の従来の資金調達は限界に達した部分があり、一般企業で先行している証券化等の新しい金融技術を活用したファイナンスの研究が、医療機関でも不可欠になってきたからです。高齢化の医療・福祉資源のインフラの再構築をするために、社会に医療資源への投資のリスクをシェアしてもらうことが必要です。これによって、社会に利益をもたらすことができると考えています。
 また、医療制度における法的な問題として、医療法人のあり方が大きな議論になり、本年、公益法人の根拠法となる民法が大きく改正され社会経済システムとしての「法人の将来像」が示され、その下での「医療法人制度改革」になりました。
 私は本年4月から、「医療提供体制における今後の医療法人のあり方と課題」について民法学の立場で研究を始めました。この事例は社会保障法とも関連し医療経営・管理学の事例研究として絶好の素材となるでしょう。つまり、マーケティング研究は病院等の経営体・組織体にまでマネージメントする必要まで接近していくでしょう。本研究会の共同研究にも採択できるほどのテーマといえる理由もそこにあります。
 本研究会が九州大学大学院医学研究院医療経営・管理学講座教授の研究指導、知的財産と結合してさらに発展することを願って事務局の挨拶といたします。

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